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罪悪と知っていても、こゝろがひどくうるさいのです


以前この動画の絵を描いてくださったアポロさんとスカイプだっけ?なんだっけ?で
大正あたりの書生ミクオ×女学生ミクってちょーーーーよくね?みたいな・・・
盛り上がりをしたので・・・。

こころも感想文書いただけで、舞姫とかは授業の全てを睡眠時間に充てて、
あ、羅生門くらいは起きてたかな・・・みたいな文学人生を送ってきた尻切れですが
日本語てほんとうつくしいよねーーー!って歌詞書きながらなりました。
四季を辿っていったので、ちょっと枕草子序文みたいなのも織り交ぜながら、とか
もはや時代ごっちゃまぜなんですけどね・・・。

春だけは元ネタがあって、去年のエイプリルフールで使ったタイピング練習の歌詞です。
これはサビにメロディとか、裏メロが使いまわされてますてへ。
http://tmbox.net/pl/286828


もうほんと動画のお話するときも尻切れのわけわからない要求に答えてくださって
和色一覧のサイトいいよねー!日本っていいねー!キャッキャしながらできました。
ほんとありがとうございます!!!!


続きに、プロット?というか、ちょっとしたお話を収納しておきます。



 ――いっそ、貴方の中に燈る焔に焼かれて灰になってしまいたい。

 頭の中で先ほど読んだ書物の一節を反芻(はんすう)しつつ、町から下宿先へ戻る道をゆく。
はて、そのような気持ちはわたしには今の一つよく分かりはしない。
灰、灰になど成ってしまったら唯、風に吹かるる儘にあの人から遠ざかり、塵のやうに消ゆるのみだ。
確かにあの人の焔で焼かれることはひどく扇情的だろう。
からからと下駄が石を擦る音だけが、散った花で染められた道に響く。
けれども、わたしならば。
そう思って頭(かぶり)を振った。馬鹿馬鹿しい。
この正体不明の熱は墓場まで持っていくと決めたのだ。
気を緩めればわたしの頭の片隅を占拠し、惚けさせるまことに厄介なものだ。
 おかみさんへ帰宅の挨拶もそこそこに、私は自室へと上がった。
群青が広がる硝子に自分の姿がうつる。色は白く、髪は鼻にかかり薄く張り付く。
まるで死人。旧友が会う度に身形を整えろ、と謂うのが分かった気がした。
わたしならば、この身体を流るる血潮のやうな椿に成りたい。
そうして、あの人が手にとって口づけてくれたなら。しづかにほとりと、落ちるのだ。


 かつん。安物の下駄履きではない、革靴が地を蹴る音がした。
突然の雨に、軒先に立ち尽くしていたわたしは顔をそちらへ向けた。
「雨、止みませんね」
そこに立ってゐたのは、卯の花を纏ったあの人だった。
喉に貼りついていた言葉をひっぺがし、そうですね、と答へる。
無骨な調子も気にしないのか、伏せ目で見やると彼女は笑っていた。
あゝ、私はこの、固い莟さえも綻ばせる微笑みが大層気に入りだった。
「どうぞ、お入りになって」
「いけません」
朱の傘をこちらへ半身、傾けたのをしづかに押し戻す。
わたしがこの人と肩を並べるなど、ゆるされるはずがない。
「わたしを、送ってくださらないかしら」
その言葉に、はっとする。
わたしは世間体ばかり考えて、この暗くよどんだ中、彼女をひとりで帰そうとしたのか。
「さようならば」
彼女は悪戯をする子供のやうに笑っていた。
傘を受け取る一瞬に触れた指先から、心臓が胸骨にひっつきそうなほど鳴り始めた。
 「こちらではないはずですが」
遠回りをしている、と気がついたのは大通りを外れて角をみっつほど曲がったときだ。
「少し、寄りたいところがあるの」
「あんまり遅くなっては、だめですよ」
吐いたためいきは、水を吸ってじんわりと周りへ溶けていく。
「ほら」
次の角を曲がったわたしは、思わず足を止めた。
「素敵でしょう」
神社へと続く階段の、脇を埋め尽くす紫陽花。
一面の色はまるで空をうつしたようであった。言葉は移ろい気。
しとどに濡れた花に、雨粒がきらりと水晶を生む。
「ええ」
「わたしの、秘密の場所なのです」
隣をちらと見やれば、ふうわりと彼女は笑っていた。
「わたしの秘密の場所にしても良いのでせうか」
「どうぞ、お好きになさって」
ふとかちあう視線は、まるでこちらの底を見透かすやうであった。
その翡翠が閉じられてゆく。
吸い寄せられた先がたとへ茨だとしても、わたしはこの記憶で生きてゆけるだろう。



 ある文豪は、愛を伝えるのに月の美しさを称え、またある人は死んでもいいと応へた。
確かにあの夏の日、わたしはその瞬間に死んでもいいと思ったのだ。
目を落とした先の文字では、焦がれた二人が心中を添い遂げたところであった。
叶わぬ願いを抱いて燻っているのなら、いっそのこと掠めとってしまおうか。
そんな思考を頭の隅へと追いやり、くだらないと庭先を見下ろした。
わたし一人の命ならどうにでもなるが、あの人はそうもいくまい。
輪廻の果て、転生先でまた逢えるとも限らない。釈迦仏だってそこまでお人好しではないだろう。
 赤蜻蛉が、色づいた中を飛んでゆく。
物語の中で離れぬようにと結んだ組紐は、燃えさかるあの曼珠沙華のやうだろうか。
瞼を下ろせば情景が広がる。
わたしはくすんだ狐の面をつけて、溶け込んでしまいそうな白妙に身を包んでいる。
一面の凍りついた白色の中、互いの首にかけた朱い組紐だけが色をもつ。
それから、あの人の手を握って、ひやりとした水に足を。
いいや、あの人には死など到底似合わぬ。
あの人には雁が連なりゆくやうに、帰る場所が在るのだから。
瞼の裏では一人きりで組紐をぶる下げた、黴色の狐面が立ち尽くしていた。
 秋の水は冷たいが、彩られた中ではあの色は霞んでしまうだろう。


 庭先に張った薄氷(うすらい)を、そうっと下駄で踏み渡った。ぱきり、と心地よい音がする。
降り続く雪はかろく、肩や髪を濡らしてゆく。
左隣の高値であろう鳥ノ子をだめにしてはいけないと、声をかけようとした。
しかし私の努力空しく、彼女はああ、と声を上げるとかけていった。
「濡れてしまいます」
「見てくださいな」
彼女の手には深緋(こきひ)の椿があった。垣根から少しだけこちらへと顔をのぞかせている。
 とくり、と血潮が温まるやうな気がした。
その薄紅の唇が、花弁に触れたら。
いつだか耽った妄を思い出し、わたしは彼女の手、その中の椿に眦を縫い付けられたかのやうに見つめていた。
「きれい」
「椿の花言葉を、ご存知ですか」
「いいえ」
「常に貴方を愛する、と」
それを聞くと、彼女は射さすやうな眼でわたしを見上げた。
そうして、彼女はごく自然に、その噎せ返るやうな血潮の花に口をつけたのだ。
 あゝ、落ちる。
色恋ひなどに疎い私のこゝろは、貴方のその仕草だけで簡単にほろりと落ちてしまった。
「ねえ」
わたしはその言葉の続きを待たずに、椿ごとその細い手を握り締めた。
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